私が技術士を受験を志した動機を少しお話しします。
私は大学でJABEEプログラムを受講し、大学院修士課程へ進学しました。その頃、教授からは次のようなことを良く言われてました。
「将来、立派なエンジニアを志すのであれば
博士か技術士を目指しなさい」
私は産業界(ものづくり)に貢献したいという想いが強かったため、化学系企業に就職しましたが、ずっと技術士という言葉が頭の片隅に残っていました。
「いつか、技術士になるぞ」と。
JABEE経由の受験は大学院期間を含めて、新卒5年目で二次試験から受験することができます。28歳の時、受験動機を得た私は早速、技術士の試験はどんなものか技術士会のHPから過去問を確認しました。そして、驚愕しました。
難しすぎる。。。
試験範囲の広さと深さ、時事問題と関連した技術動向を捉える俯瞰的な観察眼、これらをいかに抽象的に捉え、端的に説明できる文章力、思考力など当時の私には手も足も出ませんでした。問題に取り組む気すら失せました。
これは無理だ。。。と勉強もすることもなく、受験書すら作成することもなくすぐに諦めたのを覚えています。
それから早4年。
気づけば、就職した企業に揉まれ、少しこなれてきた感が正直ありました。このままでも良いかなと、いつの間にか技術士の目標は頭から消えていました。
そんな中、32歳の時に父から、「技術士はどうするのか?」とふと聞かれ、私の中の何か、火がつきました。父は将来技術士を目指すと宣言していた私に大変喜んでくれていました。大学の高額な授業料も支援していただきました。そんな父からの発言で、あの時挑戦すら諦めた自分に途端に恥ずかしさと悔しさを覚えました。
難しいのは百の承知!今度は諦めない!
受験を決意しました。
決意した時には受験まで時間があまり残されていませんでしたが、短期間(4ヶ月)でもやればできることを証明してやる、自分に自信を持ちたい。両親を喜ばせたい。そんな様々な感情が自身の背中を押してくれました。
家族の最大の応援もありました。まだ生まれたての娘がいて、育児が大変な状況にも関わらず、妻は「夢なら応援する」と二つ返事で受験を快諾してくれました。勉強に専念させてくれた妻、娘には感謝しても感謝しきれません。それが1発で合格するという覚悟に繋がりました。
そして今があります。本当に頑張ってよかったと心から思います。あれ以上、絶対に頑張れない、と断言できるほどの日常でしたが振り返るとそれだけ打ち込めたことが何よりの財産になりました。
今、受験を志されている方、将来受験しようと考えている方、私の二の舞にならないように、後悔をしないように目の前のチャンスを掴んでください。
受験しないと合格できません。
そして、努力しないと合格できません。
合格できた時の景色は最高ですよ。
世界が変わります。本当です。
そんな頑張ろうとしている方の背中を
今度は私が少しでも押してあげたい。